トーチ

2019年7月16日 火曜日

元・恋愛マスターの母が10年前に教えてくれたこと

「結婚したい、子供欲しい」という人ほど、毎週末女友達とばっかり遊んでいる気がします。いやまあ、女同士ってバカみたいに楽しくてラクなので、気持ちはわかるんですよ。でも結婚という目標があるのなら、「サイゼリアは最高の居酒屋」なんて言いながら青豆とベーコンの温玉サラダをつまみにマグナムボトルのワインを山賊のごとく飲み干している場合ではないのでは…? 今まですごく不思議だったのですが、大半は結婚したい理由が自分でもよくわかっていなくて何となく「結婚した〜い」と言っているだけだということを理解したので、最近は「あら〜そうなの〜」と聞き流すようになりました。

そういう方々は夜な夜な女子会に勤しめばいいと思うのですが、問題なのは「運命の出会い待ち」している人です。いい歳して何言ってんすか!? と大爆笑した後5秒で忘れたくなるような話題ですが、結構な数いるんですよ。「きっとまだこの先、いい出会いがあるはず♡」と信じている人というのは…。

私は『ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ』という映画が大大大好きで、学生時代は居間にしかないテレビで繰り返し見ては感涙していました。この世界の何処かにはきっと、魂の片割れが存在する。何を言っても、何をしても分かり合える、心の隙間ぴったりとを埋めてくれるような人…そんな出会いを夢見ていた私に、いい加減うんざりした母親が言いました。

「あんたまさか…ソウルメイトがいると思ってる? いや、いねえから。」

茶化しているわけでも、意地悪を言っているわけでもなく、真面目な表情でそう言いました。まだ10代だった私はその言葉が受け入れられず、しかし母(ディズニーの悪役キャラを全員足して煮詰めたような見た目と圧の強さを持つ、信藤家のヒトラー。心の中で「教祖」と呼んでいます)に言い返すこともできず、自室に戻ってから「いやいるし!見つけてやるし!ぜってえいるし!!!」と枕を涙で濡らしながら固く決意したのです。

あれから10年。今なら分かります。教祖(母)は、正しかった。

19〜24歳の間付き合ったバンドマンの彼氏(13歳年上)とは、あらゆることの価値観が同じだったはずなのに、約2年の同棲を経て最悪な結末を迎えました。ソウルメイトが困ってんだからと、私は言われるがままお金を貸していました。最初は飲み代の5千円だったのが、生活費の1万円、国民健康保険の3万円…もう面倒臭いから、5万渡しておくね━━そんなことを繰り返し、累計額50万ほどになったところで「もぅぉ金なぃから貸せなぃょ。。」と告げると、金の切れ目は縁の切れ目ということで大揉めに揉めて破局。なっにがソウルメイトだこのダボハゼが、脳みそ溶けてんのか!!!!

みなさん、ソウルメイトは存在しません。魂の片割れなんていないのです。努力をして、真の思いやりとはなんぞやということを学び、実践し、相手に伝わって初めてそれに近い関係を築くことができるのです。「平日はNTTで働いてる」って言ってるけどよくよく聞くと超末端子会社員で酒癖と女癖が悪くライブハウスに来ている女客をいついかなる時でも一発やりたいという目で眺めていた元彼ばかりが悪いのではないのです。ソウルメイトとかいって勝手に思い込み、盲信し、きちんと相手と対峙していなかった私にも非があるのです。

もう一度言います。ソウルメイトは存在しません。運命の出会い♡もありません。己で作り上げた関係性だけがこの世に存在するのです。やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ…いつでも見える箇所に、ガチめの和彫で入れたい言葉ですね。(編集部・信藤)