Vol.4「ベスパで代官山に買いに行ったボーダーT」
堀北カモメ
僕は三重のド田舎で育ちました。左から猪、右から鹿、頭上からフクロウが飛び出てくる様な山の中です。
そんな遥かなる大自然に抱かれて育った僕は、都会のお洒落スポット大好き人間になりました。
代官山、表参道、
なんて素敵な響きなんさ。
お金が無いので何かを買える訳ではないのですが、歩くだけでワクワクします。
都会の人は、山に行くとマイナスイオンで癒されると言いますが、僕は港区に行くとプラスイオンで癒されます。
特に男性だと、お洒落なカフェのランチとかあまり好きでは無い方もいらっしゃるかもしれません。でも僕はお洒落をお洒落で炒めた様なよくわからない食べものや雰囲気も大好きなんですよ。
そんな都会的なお洒落に憧れる僕が乗ってるバイクは、イタリアのベスパ というスクーターです。ゲモノが通すの作中にもバイクは描かれていますが、そのイメージとは違うかもしれません。
僕の地元では、スクーターといえばゼッペケだったので、黄色のお洒落なベスパなんて見た事がありませんでした。
なので東京で実車を見た時は一眼で恋に落ち、その場で頭金無しのフルローンでサインしました。
イチョウが色づく東京の街を、ローファーでベスパに乗る自分。立ち寄ったカフェ。店内に置いてあるはらぺこあおむしを読みながら、小沢健二に想いを馳せる…。
そして代官山でボーダーのTシャツを買った時には、「俺も遂にここまで来たか」と思ったものです。
そんな憧れの街にある美容院も、僕にとっては夢見る場所です。
ただ、残念な事に僕はハゲていているんですよね。
その為自分でスキンヘッドにしているので、美容院に行く事が出来ません。
でももしも、神様が現れて僕に髪の毛を授けてく下さったのなら、滝藤賢一さんみたいなパーマをかけてもらいに行きたいです。
きっと美容師さんも洗練されてるんだろな。雑誌もマガジンハウスなんだろな。いったいどんな気分なのでしょう!
そんな叶わぬ夢に想いを馳せながら、中野区5万2千円のアパートでふかし芋を食べてます。
というわけで、
次回のキラキラ通信もお楽しみに☆
バイバーイ☆
痛みも、悲しみも、後悔も……俺がまとめてブッ直ぉぉおす!!!!
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金子・42歳・(株)カワサキリペアの補修職人。
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