土の上 22

 いよいよ十二月に入り、仕事のメールでも「年末進行」だとか、「忘年会」といった言葉が見られるようになった。年末年始は印刷所などが稼働しないため、いつもよりも少し前倒ししたスケジュールで進行される。同じようなことがゴールデンウィークやお盆などにも起こる。普段は決まった休日がないものの、こうした進行のおかげで世間の多くの人々と同じように休むことができて案外助かる面もある。
 そんなわけで、しばらくは〆切に追われる忙しい日々が続く。一日に何件もの〆切を抱えるのは大変ではあるけど、妹と共に予定通りにひとつずつ仕事を終えていくことで大きな達成感や、やり甲斐も感じられる。必要とされるということは有り難いことだよなぁと思う。
 スケジュールが詰まってくると、心の余裕がなくなってくる。そういう時は机を離れて体操をしたり、庭に出るようにしている。太陽の下、外の空気に触れるだけでいくらか気持ちもほぐれるし、畑の野菜を観察していると緩やかな時間を取り戻せるような気がする。お茶の時間も同じく重要だ。
 今日は昼過ぎに今日〆切分の仕事を完了した。畑で葉っぱを摘み、好物の銀杏を煎り、肉を焼き、残り物の大根と豆腐のあんかけで遅い昼食にした。料理や食事もまた、気分転換には最適だ。

 いち編み物フリークとしては、忙しくても編み物はしたい。編み物は麻薬のようで(手を出したことはないけど)、一度編み始めてしまうと、他の事はそっちのけで夢中になっていつまでも編み続けたくなる。でも、忙しい時はそういうわけにはいかないため、三十分などと時間を決めて、その間だけはただひたすら編み物に集中する。そうやって猛烈に編むと、すごいスピードで編めるし、編み物欲も満たされてとても良い。時々、世界中の編み物に取り憑かれた人々が、今日もどこかに座って黙々と毛糸を編んでいるのを想像する。何だか楽しい気分になる。
 思う存分編み物ができるように、頑張って師走を駆け抜けたいと思う。

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《著者プロフィール》
宮崎信恵(みやざきのぶえ)
1984年徳島生まれ。
STOMACHACHE.として妹と共に雑誌などのイラストを手がける。
その他、刺繍・パッチワーク・陶芸・木版画・俳句・自然農を実践する。
http://stomachache.jp
http://nobuemiyazaki.tumblr.com