どこかで見たけどどこにもない。ファンタジー渦巻く日本の風景。
ありふれた日常にひそむ不可思議なものたちが動き出す。
新鋭・千葉ミドリが贈る、大注目の短編連載。
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その1「カッパの理髪店」
男が通っていた理髪店は、かつて恋人だった女が見た夢の中の店だった——。
かつての恋人、川本の心の空洞を埋めたいと願う谷藤は、夢の中のカッパの理髪店に行こうと川本を誘い出すが…?
その2「未来の星の下」
西暦2000年のある旅館。時間旅行士を名乗る不審な男が突然現れる。
あやしい未来人と旅館の女中がゲームコーナーで起こす、ささやかなスペクタクル…?
その3「あちほ、どこにいるの?」
ある雨の夜。学童バザーの準備のさなかに見つけた絵本は、心の底にいまも残る。
不思議な犬と水に誘われて、私たちは記憶と幻想のなかに迷い込む——。
千葉ミドリ
1997年生まれ。明るい時間に集まって明るい時間に解散するのが好きです。
Twitter→@chibamidori_