それでも俠(おとこ)は優しくあろうとした。
十九歳の若き柔術家・柳勘九郎は父の遺訓である「打倒・講道館柔道」を胸に上京する。
文明開化に揺れる東京の街。青春の彷徨。理不尽と不条理、矛盾と欲望ー男の胸を、誰が知る。
学生運動の嵐吹き荒る1970年代、右も左も読んでいたーー「今」を生きる全ての人に。バロン吉元の最高傑作が蘇る。
バロン吉元(Baron Yoshimoto)
旧満州生まれ、鹿児島県育ち。1959年の漫画家デビュー後は、1960年代から70年代にかけて巻き起こった劇画ブームの全盛期を築いた劇画家のひとりとなり、代表作である『柔俠伝』シリーズ、『どん亀野郎』、『殴り屋』等、多数の作品を発表。しかし人気絶頂であった1980年、全ての連載を終わらせ突如単身渡米、マーベル・コミックで執筆。帰国後は漫画執筆と並行し、絵画制作を始める。2017年には漫画作品をまとめた初の画集となる『バロン吉元 画俠伝 ArtWork Archives』(山田参助・編/リイド社)がリリース。また2019年には約30年間に渡り制作された絵画作品を収録した『バロン吉元画集 男爵』(パイインターナショナル)を国内外で出版。
主な展覧会:「画業60年還暦祭 バロン吉元☆元年」(弥生美術館/東京、2019)、「バロン吉元/寺田克也 バッテラ[bateira]」(アツコバルー arts drinks talk/東京、2017・高台寺/京都、2018)、「バロン吉元 画俠展」(高台寺/京都、2017)、「バロン吉元の脈脈脈」(トーキョーワンダーサイト本郷/東京、2016)
バロン吉元/バロン.プロon Twitter