十九歳の若き柔術家・柳勘九郎は父の遺訓である「打倒・講道館柔道」を胸に上京する。文明開化に揺れる東京の街。青春の彷徨。理不尽と不条理、矛盾と欲望ー男の胸を、誰が知る。
学生運動の嵐吹き荒る1970年代、右も左も読んでいたーー困難な時代に、強く優しくあろうとした一人の青年の物語。「今」を生きる全ての人に。バロン吉元の最高傑作が蘇る。
雑誌掲載時のカラーページを再現。画業60周年記念 新装・新編集版!
<下巻特別収録>
■「本書刊行に寄せて」バロン吉元 ■初公開の描き下ろしを含む、カラーイラスト10点&墨絵4点 ■作品解題(あがた森魚/荒俣宏/かわぐちかいじ/草森紳一/栗原良幸/佐藤信/鈴木邦男/鈴木敏夫/竹宮惠子/前田日明/山下裕二/夢枕獏/四方田犬彦)