皆さん、初めまして。8月に入社した、編集部員の板谷です。
好きな野菜はネギ。次点が長芋です。
私という人間を知ってもらう方が何かと良いだろうと思ってこのブログを書いています(トーチwebは生産者の顔が見える安心安全な媒体なのです)。
入社時に「トーチでやりたいこと・トーチに思うこと」を尋ねられ、下記のようなことを書きました。
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一緒に走っていく感覚を持つ作品を作る、これが本当に私のやりたいことだ。
本を読む作業は孤独だ。だけど、本を読んでいるとき私たちは一人ではなくて、本の中の世界や作者、自分以外のその本の読者と感覚を共有したような気持ちになる。だから、本はひとりで読むものだけど、たくさんの人と繋がることができる。
私はお世辞にもコミュニケーション能力が高いとはいえない。子供の頃はひどい人見知りだった。けれども本やマンガを読める年齢になると、“これは私のことだ”と思うような光る一節に出会うことができ、自分は孤独ではないのだと感じられた。また、同じ本やマンガを読んだ者同士で感想を話すことで友だちの輪が広がっていくという経験をした。
そして大学生1年生の頃、トーチwebと出会う。きっかけはひらのりょうさんの『ファンタスティックワールド』だった。ひらのさんのアニメーションを観てもっとこの人を知りたいなと思い、個展に赴いたり、情報収集したりしていた一環で、トーチに掲載していた『ファンタスティックワールド』を読んだ。当時は上京したての頃で、自分の興味関心のあるモノやコトが手を伸ばせばすぐ近くにある東京の生活は、快適なことばかりではないが刺激的で、冒険のような日々だった。「ああ、私も今、彼らと同様に冒険しているな」と言う気持ちで自分の人生やこの世界と重ね合わせていた。
マンガはいつも一緒に居て、私と走ってくれた。トーチwebは、一緒に走ってくれる作品に出会わせてくれた。だからこの場所に、感謝している。
大人になった今、自分が作り手としてマンガを届けることで、あなたはひとりで走っているんじゃないよ、と昔の自分に伝えたい。トーチwebという多様な感性が集う場所で、愛すべきはみ出し者たちに寄り添う1作を作れたらいいなと思う。
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思えば、“ひとり”だとか“孤独”といったテーマは、昔から自分の中で重要なテーマでした。
大学1年の頃、研究領域を選択するタイミングで、色々な分野の教授からガイダンスを受けました。そこで、どういった文脈か忘れたけれど、ある教授の、
「我々は孤独だ。我々は群れない。」
という言葉を聞いて、その方がいる領域に進むことを決めました。
《群れない》とおっしゃっているにも関わらず、主語が《We》なのはあまりにもツンデレすぎる、と思ったからです。教授なりに、私のようなモノをまだよく知らない大学生たちを歓迎し、《We》に含まれる同志として認めてくれた上で、「でもプライドは持てよ」と叱咤してくれたのだと解釈しています。
ひとりだけど、ひとりじゃない。
トーチwebでオルタナティブな表現の漫画制作に携わるということも、こういう感覚なのかな……と想像してワクワクしています。
最後に、未熟な私を受け入れてくださったトーチ編集部の方々には頭が下がる思いです。早くお役に立てるように頑張ります。
また、トーチ読者・作家の皆様、これからどうぞ末長くよろしくお願いいたします。