執筆10年。昨年自費出版され瞬く間に完売した著者初の漫画作品、大幅な加筆を施し初の商業出版化!!
突如見舞われた天災。
5才のえんちゃんの時間は
赤ちゃんの頃へ戻っていた。
あふれるよだれと好奇心のまま、
えんちゃんはうごく、えんちゃんはたべる。
小さなからだの大きなちからで、 新たな世界を創造していく——。
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本作はかつて誰もが触れた生命の「始原」を
記憶の底から呼び戻す物語です。
作者は育児に向き合う日々のなかで、鉛筆を手に、
成長がひらく未知の眺めや言葉に先立つ神秘を、次々に描き留めていきました。
ページをめくるたびに立ちのぼる、
未見の鮮度に満ちた「創造」と「破壊」の往来は、
その筆致を通して、私たちの視覚と感情の境界を越えていき、
世界の見え方を反転させます。
そうしてほどけた意識の隙間には、
やわらかくなつかしい回帰の感覚が、
読者それぞれの記憶をたどって流れこむことでしょう。

最後の手段
有坂亜由夢・おいたまい・コハタレンの3人による映像チーム。2010年結成。
手描きアニメーションの筆致と、人間や大道具・小道具を使ったコマ撮りを緻密に掛け合わせ、物質の気配と身体のリズムを「有機的に動かす」表現で、観る者の内に眠る太古の記憶を呼び覚ます。
主な仕事に電気グルーヴ「電気グルーヴ 30周年の唄」アニメーション制作、やけのはら「RELAXIN’」(第17回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞)など。